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アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは、痒みを伴い慢性的に経過する皮膚炎ですが、その根本には皮膚の乾燥とバリア機能の異常があり、そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わって生じると考えられています。
有病率は報告によりますが、成人では2~5%、小児では3~20%と言われていますかゆみを伴う特徴的皮膚症状が慢性的に繰り返している場合にアトピー性皮膚炎と診断します。

乳児期には頭部中心、児童期にかけて肘窩や膝窩に目立つようになり成人期にかけて皮膚症状が全身にみられるようになります。
アトピー性皮膚炎の患者様の多くは、家族にもアトピーの方がいる、そして気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎・アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患も同時にもっていることが多くあります。

治療は、保湿剤などのスキンケアにくわえ外用治療をおこないます。炎症の強いときはステロイド外用剤を使用し、状態が落ち着いてくれば非ステロイド性抗炎症外用剤への切り替えを行っていきます。
アトピー性皮膚炎の治療に用いる非ステロイド性抗炎症外用剤は1996年に承認されたタクロリムス軟膏にくわえ、デルゴニシチブ軟膏(2020年承認)ジファミラスト軟膏(2022年承認)ブイタマークリーム(2024年承認)があります。
これらの外用剤は、ステロイド外用剤のような即効性はないものの、継続的に塗ることでバリア機能を修復することがわかっています。
外用治療で効果不十分な場合は、免疫抑制剤や紫外線治療の他、アトピー性皮膚炎の新しい治療法として生物学的製剤の注射や内服があります。

当院では、外用治療をベースに生物学的製剤の使用も行っており、アトピー性皮膚炎の患者様に幅広く対応しています。

➔デルゴニシチブ軟膏
➔ジファミラスト軟膏
➔ブイタマークリーム

当院では、既存の治療で十分な効果が得られない中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者様に対し、ミチーガデュピクセントなどの生物学的製剤の治療をおこなっています。
いずれも高い治療効果を有するため、かゆみや皮膚症状でつらい思いをされている患者様にとって希望となる治療法と言えるでしょう。
副作用しては結膜炎を起こすことがありますが、免疫抑制や重篤な副作用がないというのも特徴です。
それぞれの生物学的製剤を使用するには、年齢以外に、皮膚の状態やかゆみの程度をきちんと評価することと、ステロイドの外用や抗アレルギー薬の内服で治療をしていることなどが条件となりますので、治療の導入には医師の判断が必要となります。

また外用治療や保湿剤によるスキンケアを継続して併用していくことも大切です。
これまでの治療に比べると高価な治療ではありますが(所得や年齢により医療費の助成制度あり)、症状が劇的に改善していくことが多く、患者様から「注射したその日からかゆみがなくなった」とか「1回の治療で皮膚の状態がよくなった」など、嬉しいお声をいただいています。

2024年6月から6歳以上の小児に使えるようになりました。アトピー性皮膚炎のかゆみに関与するIL-31をブロックし、アトピー性皮膚炎のかゆみを抑える働きがあります。
13歳以上であれば、3回目以降は自宅での自己注射も可能です。アトピー性皮膚炎以外に、難治性の結節性痒疹の患者さんにも使用でき、高い治療効果があります。月1回の注射ですむというのもメリットです。
アトピー性皮膚炎の炎症に関わるIL-4、IL-13というサイトカインをブロックします。6か月以上にわたってステロイド外用薬などの抗炎症治療を行っても十分な治療効果が得られなかった患者さんが適応になります。
2週間ごとに投与をおこない、3回目以降は自宅での自己注射も可能です。投与量は体重に応じて変わるものの、生後6か月から使用が可能です。当院では結節性痒疹や、難治な特発性の慢性じんましんの治療にも対応しています。
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